双曲平面上の一つの定理
普通の平面上で、次の定理が成り立つことが知られています。
「三角形 ABC と直線 l があるとき、
A から l に下ろした垂線の足から BC に引いた垂線、
B から l に下ろした垂線の足から CA に引いた垂線、
C から l に下ろした垂線の足から AB に引いた垂線は一点で交わる。」
下図の通り、双曲平面上でも成り立ちます。
青で描いてある頂点 A, B, C はマウス(タブレットならば指)で引っ張って動かすことができます。
黒で描いてある直線 l は円の右外にある黒点で動かせます。
ただし、灰色で描かれた大きい円の中でだけ動かして下さい。
直線 l を点 L に置き換えると
「A から l に下ろした垂線の足」 = 「A を通って l に直交する直線と l の交点」
↓
「L を通って AL に直交する直線」 = 「A と L を通る直線に直交し、L を通る直線」
「A から l に下ろした垂線の足から BC に引いた垂線」→
「L を通って AL に直交する直線と BC の交点」
となります。
上図で Γ の右外にある黒点をマウスで引っ張って Γ の中に入れて見て下さい。
また、点 A, B, C を直線に変えると次のような定理が得られる
ことも試して見て下さい。
上図の青い点をマウスで引っ張って Γ の外に出すと直線に変わります。
「三辺形 abc と点 L があるとき、
L から a に下ろした垂線に直交し、L を通る直線に bc から下ろした垂線、
L から b に下ろした垂線に直交し、L を通る直線に ca から下ろした垂線、
L から c に下ろした垂線に直交し、L を通る直線に ab から下ろした垂線
は一点で交わる。」
「三辺形 abc と直線 l があり、l は a, b, c のいずれとも交わらないとき、
l 上の a に最短な点と bc を通る直線、
l 上の b に最短な点と ca を通る直線、
l 上の c に最短な点と ab を通る直線は一点で交わる。」