二次曲線束にまつわる小話
四角形 ABCD のすべての頂点を通る二次曲線の集合を 二次曲線束と呼び, q(ABCD) で表します。
完全四角形 ABCD の対角点(ABとCDの交点, ACとBDの交点, ADとBCの交点)を R, S, T とします。
定理 1 q(ABCD) に属す曲線の A, B, C, D における接線を
4辺とする完全四辺形の対角線は RS, ST, TR である。
完全四辺形 abcd の対角線とは ab と cd を通る直線, ac と bd を通る直線, ad と bc を通る直線です。
(下左図参照, RS, ST, TR は黄色い線)
定理 2 q(ABCD) に属す二つの曲線が4本の共通接線を持つとき,
それらを 4辺とする完全四辺形の対角線は RS, ST, TR である。
(下右図参照)
下図において 黒い点と赤い点は動かせます。
定理 3 l を R, S, T を通らない直線とするとき,
l を一辺とし, 対角線が RS, ST, TR となる完全四辺形が唯一つ存在する。
定理 4 上の定理の l が四角形 ABCD の頂点の一つを通れば,
完全四辺形の四辺は A, B, C, D を通り,
q(ABCD) に属し完全四辺形の四辺に接する曲線は一つだけである。
l が A, B, C, D のいずれをも通らなければ,
q(ABCD) に属し完全四辺形の四辺に接する曲線は二つ以下である
(複素射影平面で考えれば丁度二つである)。